7ヶ月遅れのロードショー「坂道のアポロン」

坂道のアポロン」の感想はとてもツイートで収まらないだろうと

ブログに書くことは決めていたのだけど、いざ書こうとすると言葉が出てこない。
言葉を失うくらいに感情がフルになってしまった。
 
纏められないので、個人的な要点別に綴ってみた。
 
*眼鏡
知念くんは普段眼鏡をかけていないのに、眼鏡を外す度にドキッとしてしまう。
海に入るとき、キスをする時、涙を拭く時。
眼鏡って鎧なのか、外す度に素の部分が見えそうでそう思うのかもしれない。
薫が眼鏡をかけていない設定だったら、そこに物語は生まれなかったかもしれない。
 
*雨
知念くんの属性って雨だと思っているので、雨を背景に映る知念くんの美しさよ。
千太郎との出会い。天気雨の中、上級生と喧嘩をする千太郎を見つめる薫の
眼鏡に溜まる雨の雫。拭き除くことも忘れるくらいに千太郎から目を離せない薫の表情。
 
雨が降りしきる神社でのキスシーン。
感情が抑えきれずに、律子の気持ちさえ無視して強引にキスする薫。
このキスシーンの何がいいって、想いが叶った幸福のキスではないところですよ(声高)
口癖のように言ってるけど「報われない恋」がこんなにも似合うアイドルが他にいるかな。
片想い、雨、神社。今まで観たどんな映画のキスシーンより一番切なく、儚く、美しかった。
 
*ピアノ
この映像が見たくて私はずっと坂道にアポロンが観たかったんだなぁと涙が溢れた。
テクニック的なことは言うまでもないけど、感動したのは演奏に感情が現れるとこと。
前のめりになりながら気持ちを音に乗せてたり、寂しさを埋めるように静かにピアノに気持ちを委ねていたり。
知念くんの静の演技がすごく好き。
 
 
*薫と千太郎
出会いの時にシーツをめくった薫を見ての千太郎の言葉「迎えにきてくださったとですか」
教会でシーツをめくった薫を見ての千太郎の言葉「天使様のお出ましか」
 
最近すごく感銘を受けたツイートがあるのだけど(映画とは関係なしのツイート)
「独りぼっちの夜に震える心を抱きしめてくれる存在に出会ったら、その相手はそれだけで救われたものに
とっては神様です。ずっとずっと光です」
 
孤独を抱えていた薫も千太郎もお互いが神のような「救い」だったんだろうなと。
監督が薫と千太郎のラブストーリーだと仰っていたけど本当にそう思えた。
ラブストーリーって恋愛感情だけではなく、あらゆる形の「絆」に充てることができる言葉なのだなぁと。
 
*対比
教会と神社、
喧嘩をする千太郎の胸にかかる非暴力の象徴のロザリオ、
「暴力なんて意味がない」と言う淳兄が関わる学生運動
1人での忌々しい上り坂と2人で駆ける下り坂。
小さなコントラストが面白いと思った。
 
 
纏めると言いながら纏まらない感想になってしまったけど、一言でいえば
知念くんの主演映画が「坂道のアポロン」でよかった!
繊細で穏やかで切なくて。
小柄な知念くんに不調和な広い背中、どれだけのものを背負ったのだろう。
ラストでピアノを弾く知念くんの背中はもっと大きく力強く見えた。
 
『When I’m feeling sad
I simply remember my favourite things
And then I don’t feel so bad
 
悲しいときは
好きなものを思い出してみる
そうすれば悲しくなくなるの』
 
 
沢山ある私の好きなものリストに加わった「坂道のアポロン
 
悲しいときは
坂道のアポロン」を思い出してみる
そうすれば悲しくなくなるの